我が家の愛犬のことを書きます。
現在、14歳になるミニチュアダックスフンドのメス犬の話です。

1ヶ月半前に急に体調を崩しました。
うまく起き上がられず、手を痛めた様子でしたが、
寸前に犬同士で少し喧嘩のような雰囲気があったので喧嘩による捻挫などの怪我かと最初は思いました。
ところが食欲が落ち、水すら飲めなくなり、排便もできず、
排尿だけはかろうじて出来るような状態。
食事と給水が出来ないために脱水状態となったため、動物病院へ急ぎました。
しかし、この日はいつもお世話になっている動物病院は休診日だったため、
主治医が以前勤めていた(=以前お世話になっていた)病院へ向かいました。

主人は2度目、私は初めてお目にかかる先生による診察でしたが、
前回お世話になった際の主人の感想通りで頼りない診察が気になったものの、
まずは応急処置として生理食塩水を含む点滴を打っていただき改善されました。
この日の先生の所見はアテにならないと私も判断しましたので急場凌ぎな投薬のみしていただきました。

主治医の休診日明けすぐに診察に出向いた際には私たち夫婦の思った通りの診察内容でした。
獣医師の先生は手が動かなくなった際の反応テストのようなものをし始めましたが
その診察方法を見たのは今回が初めてではなく「あれだっ!」となりました。
5年前に肺腺癌による播種で亡くした愛犬の体調が悪くなった際とまったく同じで神経系の病気を疑う時にする診断方法でした。
その後もレントゲンの必要性を話していただき、その日のうちにレントゲン撮影、診断を終えることができました。

経過観察期間が1週間過ぎようとした頃に食欲が落ちて水分を取れなくなる日があったのですが、
かろうじて翌日にはウェットフード(缶詰の鶏肉など)のみ食べられるようになったので
それ以上体力が落ちないうちに動物病院に向かいました。

動物病院で血液検査を行ったところ、異常な数値を示す項目がいくつか見つかったため、
数値の項目よりどのような病気の可能性が高いのかを主治医が判断し説明いただいた上で超音波検査まで行うことになりました。
超音波検査の診断では残念ながら肝細胞に腫瘍が見つかりました。
外科的もしくは内科的治療のいずれにしてもきちんとした診断をしなければならないとどうしようもないので、
以前お世話になっていた大きな病院でCT検査をすることになりました。

CT検査は全身麻酔での検査となるので検査前日の夕食以降は絶食、当日朝から給水もダメ。
午前中に病院にお預けし、夕方にお迎えに行ってきました。
CT検査の結果もやはり肝細胞の腫瘍とのことでしたが、
手が思うように動かなくなったのは肝細胞の腫瘍ではなく、骨髄内の石灰化によるものである可能性が高いとのこと。
全身をCT撮影したので頭から尻尾まで大量の撮影をしていただいたので良くわかりましたが、
皮膚炎で使用していたステロイド剤による副腎への影響もCT撮影で見せていただけました。

様々な原因がわかった上でこの先、どのように対応すべきかを夫婦それぞれが悩みました。
ただ、私たち夫婦はそんなに深く長く悩むような性格ではないので診断していただいた帰りの道中で
お互いの意見を出し合うこととなり、
『今回は手術を見送る』という判断に至りました。
・・・とはいえ、
最初は外科的手術を行うことに夫婦の意見は一致していました。

手術を行なわない最大の理由は
『手の動きが治るものではない』からです。

腫瘍の摘出が手の動きと関連しないものであることに加え、
摘出場所が奥深いために手術が困難であり、術後の痛みも覚悟しなければならない。
14歳という年齢(=高齢)のため、全員麻酔で何時間もの手術を耐えられるとは限らない。
愛犬にとってのQOL(Quality of Life)=生活の質を考えると苦痛を強いられる手術が必ずしも良いとは限らない。
肝細胞癌の場合は進行が緩やかなため、内科的治療をうまく使う事でまだまだ長生きできる可能性がある。

CT撮影終了後に上記の内容を踏まえた上で主人と意見が一致しました。

我が家で癌(もしくは癌であろう)を抱えた犬はこれで2匹目の経験です。
1匹目は摘出手術を行ったものの進行が早すぎて手術から半年とあっという間に亡くなってしまいました。
犬の介護はこの時に既に経験済で当時使っていた犬の介護用マットレスや食器などは今も残しています。
2年前の転居から僅かで亡くした犬の時にも介護のようなものは経験しています。
ただ、今の暮らしのままでは何かあった場合に24時間体制で受け入れてくれる病院が皆無であることに不安を抱きながら過ごしています。

今回、肝細胞に腫瘍が出来た愛犬については
体調不良時以降に食の好みがガラリと変わってしまい、それまで食べていたものの多くを受け付けなくなりました。
もしかしたら味覚の変化などが突然起きたのかもしれません。
この1ヶ月半は試行錯誤で毎食が勝負のような状況です。
以前は大好きだったはずの牛肉を受け入れなくなり、ラムも食べず、豚肉も食べず、
少しアレルギーの兆候があるために避けていた鶏肉ばかりを食べるようになりました。
缶詰のウェットフードばかりではいけないかもしれないと思い、
最近では毎日、鶏肉を茹でたものを通常のフードと混ぜてなるべく食べさせています。
食事に加えて病院から勧められたサプリメントと投薬を併用しています。
なるべく食事を飽きさせないようにしながら食に興味のない愛犬に食事を摂らせるのは本当に難しいと感じます。
しかし、食べなければ体力が落ちる一方なので、なんとか食べさせて体重維持に努めた結果、
先日の検査の際にはCT検査前に比べて体重増加がみられました。
ウェットフード+ドライフード+フリーズドライのレバー(市販品)でどうにか持ち堪えています。

現在、頼りにしている主治医の口から
「インフォームドコンセントは大事なこと」という言葉を聞きました。
まったくその通りだと思います。
我が家的に良い先生だと思う先生は、
きちんと触診し、少しでも気になる部分があれば説明+検査、治療法の提案をしてくださり、
家での過ごし方などをアドバイスして下さる先生です。
ペットの病気で悩んでおられる方はいろんな先生の診察を受けてみて相性が良い先生と出会うまで頑張ってみられるのも良いと思います。

また、最近は抗生物質を新しく変更してしまったことにより
それまで使っていた薬で抑えられていた皮膚炎が悪化してしまったため、
毎日、薬用シャンプーによる薬浴を行って皮膚の環境改善も自宅で行っているところです。

必ずしも該当するわけではありませんが、悪性腫瘍を持つ犬の場合はβグルカンを含むサプリを強く勧められます。
これは以前、癌で亡くした犬のときも同じでした。
その頃から5年経つだけで更に良い商品を勧められて現在使用中です。
他にもAmazonで見つけた商品などとにかく愛犬が毎日を楽しく過ごせるような何かを見つけては注文しています。
あと何年、苦痛を伴わずに毎日を元気に過ごせるのかわかりませんが、
1日でも、1年でも多く過ごせることを願いたいと思います。