暑い中、大阪松竹座で開催中の七月大歌舞伎へ行ってきました。
(本日は千穐楽)

大阪道頓堀にある松竹座の中に入るのは今回が初めてです。
開場100周年となる劇場だと空調設備が十分ではないかもしれないと思い、それなりに暑さ対策をした上で劇場に足を運びました。

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御堂筋線のなんば駅から地上へ。
御堂筋線の北側の出口から出てくるなんていつぶりだろうか?
20年くらい前の(仕事上の)研修以来で目印だったロイホがない!
あまりにも久しぶりすぎて動線が本当にわからない!
それよりもインバウンド向けのくくる(たこ焼き屋)の看板が大阪人以外の期待に応える立体式とかに驚いてみたりしました。

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大阪松竹座へ到着。
念の為に予備のドリンクも購入しておきました。
余談ですが建物の向かいにはアンドリューのエッグタルトの本店があり、ここで買うときにはやけど注意なくらいのものが提供されます。

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今回は七月大歌舞伎の一等席ですが残念ながらチケットは2階にアサインされていました。
松竹からではなく普段使いするお店からの斡旋による貸切料金という設定なので仕方がありませんね。
(とはいえ、京都の顔見世興行では花道のすぐそばだったのですが・・・。)

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今回出演される役者さんたちの次回以降の公演パンフレットがあるようでした。

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今回の公演の衣装の中はこのような感じのものもありました。

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一部の俊寛(島流の話、平家物語)が終了後の幕間(まくあい)の時に撮影してみました。
俊寛では演技以外の多くの時間を義太夫(で合ってる?)の歌と三味線が織り成す流れで初心者にとっては少々難しい部分もあり、古典を観るには十分すぎるボリュームでした。
仁左衛門さんの演じる俊寛の素晴らしい演技を観られたのは本当に良かったと思います。
鑑賞後日、松竹のサイトで遅ればせながら仁左衛門さんのコラムを拝見すると
1回目は自身の目と耳で鑑賞し、2回目はオーディオガイドで芝居の流れを聞きながら鑑賞し、3回目はもう1度自身の目と耳で鑑賞・・・のような文言が書かれていました。
同じ演目を3度も観るというのはかなり贅沢なことですが、より内容を理解した上で芝居を感覚的に捉えられる理想的な鑑賞方法なのかもしれないと思います。

夕刻の開演だからでしょうか、松竹座は割とカジュアルな雰囲気で幕間にお食事を摂られる方が多いようでした。

二部の吉原狐は歌舞伎でありながらもコメディー的要素がたっぷりと含まれる内容でオーディオガイドがなくとも十分に楽しめました。
これまで歌舞伎の女形というものに『男性が演じている女性』とても決めつけている部分があったのですが、今回の吉原狐で泉屋おきちを演じた中村米吉さんがとてもイキイキと、ハツラツとした若い女性そのものの声と演技にはとても驚いてしまいました。
歌舞伎という催しでなければ男性には絶対に見えないくらいに、女性より女性らしい可愛らしさと気丈さを持ち合わせた人物像を演じておられました。
この七月大歌舞伎の目当てであった中村隼人さんも色々とここ数ヶ月は代役で話題になったりと大変なようでしたが吉原狐ではかなり軽いキャラクターの男性の演技で楽しかったです。
この演目はかなり楽しかったのでまた観てみたいと心から思いました。

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終演後の劇場です。

今回、俊寛の終盤で使われていた舞台装置がかなり魅力的なもので斬新だと感じました。
1つは花道に(物理的に)吸い込まれていくものです。
水の中へ引きずられるような演技のときに使われていましたが、花道の使い方にただただ驚きました。
もう1つは同じく俊寛の海のシーンです。
舞台転回に沿って客席側に海が登場したあと、海の水がササーっと引いていくシーンに見覚えがありました。
シルクドソレイユの『O(オゥ)』というショーが行われている劇場で見たことがあります。
Oの劇場は開閉式の床になるプールで、幕が開けると同時にプールの水の上に巨大なカーテンがグワーっと取り除かれるのですが、それによく似ています。
何年も前に松竹が歌舞伎のラスベガス公演を行う際にOの劇場があるとても有名なカジノホテルであるベラージオの前の湖(もちろん人造湖)で演技を披露されていたことがありましたが、もしかしたら当時シルクドソレイユのショーをどなたかがご覧になられたりして?と思いました。
この意見は我が夫も激しく同意していました。

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劇場から出てくる頃には外は日が沈んでいました。

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道頓堀には人が沢山でとても自由に歩ける場所ではない、かもしれません。

似てると思うけどなぁ・・・
Cirque du Soleil O Opening